陰謀の日本中世史
- 茂 中井
- 2018年5月14日
- 読了時間: 1分
「応仁の乱」の著者である、呉座勇一氏の「陰謀の日本中世史」を読みました。
この本は、日本中世史における数々の陰謀・謀略を歴史学の手法に則って客観的・実証的に分析した内容となっています。
そこで、書かれているのは、陰謀研究の基本とは、「加害者(攻撃側)と被害者(防御側)の立場が実際には逆である可能性を探る」ことであり、陰謀論の特徴は、「結果から逆算した、最終的な勝者が全てを予測して状況を予測して状況をコントロールしていたと考える」点にあること。
また、陰謀論の最大の難点は、「秘密裏に遂行しなければならないため、参加者を限定せざるを得ない」ということです。
これらの基本と特徴そして難点を用いて、1.保元の乱、2.平治の乱、3.平家物語、4.鎌倉幕府、5.応仁の乱、6・本能寺の変、7.関が原の合戦の「陰謀論」を解説(?)しています。
面白い本なので、具体的な内容は、実際に読んでいただくとして、陰謀論にだまされない耐性がつくことは間違いないと思います。

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